レトロ感と機能性のよさでジワジワ人気のダッバー。インドのオモシロ習慣を絡めてご紹介します。
「お弁当」と言えば、日本特有の文化だと思っている方も多いですよね。しかし、お弁当は姿・形は違えども世界各国で様々に作られてきました。
そんなお弁当を運ぶ入れ物といえば「お弁当箱」。
実はこのお弁当箱が今世界中から熱い視線を集めています。
今日はそんな「お弁当箱」についてまとめていきたいと思います。
今一番人気なお弁当箱はインド式「ダッバー」
インド式のお弁当箱「ダッバー」をご存知ですか?
ダッバーは全てステンレスでできたお弁当箱で、主に円形・筒状をしています。
3~4段が一般的で、1つの段に1つのおかずが入るのが一般的です。
ダッバーのメリットはコレ!
3食カレーを食べるインド人。
※日本人から見ればどれも「カレー」ですが、インドではスパイスを使った料理を食べるのが当たり前で、料理名は全てカレーではなく、別の名前があります。
お弁当にカレーを持っていった経験のある方は分かると思いますが、カレーは木製やプラスチックの弁当箱だと高い確率で「ニオイ移り」があります。
ダッバーは臭い移りしない
ダッバーは全てステンレスでてきているため、臭い移りがありません。さっと洗えば臭いが落ちてしまいます。またステンレスなので、熱湯を使って洗うこともできるため、衛生的です。
丈夫で長持ち
また、ステンレス製のお弁当箱は丈夫で長持ち。
実際、インドで使われているお弁当を見るとベコベコに凹みがあったり傷がついているものもありますが、使用には何ら問題なく、10年以上使われているというダッバーも少なくありません。
物を大切にするインド人はこのダッバーを大切に長く愛用し続けるのが当たり前になっています。
直接火にかけられる
インドの中でも北インドは冬になると5度くらいまで気温が下がります。
そんな中、野外で仕事をしている人であれば温かいランチを食べたくなりますよね。そんな時でもダッバーなら直接火にかけて温めることができるのも魅力です。
実際には、インドにはお弁当をお昼までに配達する人「ダッバワーラー」がいるため、冷たすぎるお弁当を食べるという人は少ないようです。(※ダッバワーラーについては後述します)
インドでは100年以上も昔から愛されてきたこのダッバーというお弁当箱。
実は日本でもお弁当箱にこだわりを持つ人や、アウトドアを楽しむ方から熱い支持を集め始めています。
日本でダッバーが人気になってきたのはなぜ?
人気の一番の理由。
それは見た目にあります。
どこか懐かしさを感じる人は昭和生まれですね。
そう。
アルミのお弁当箱に雰囲気が似ていて、そのレトロ感が今ウケているのです。
ダッバーをこよなく愛する人達の口コミ
私のお気に入りのダッバー見て行って下さい pic.twitter.com/CoqanOuM3g
— 球根 (@______89youths) 2018年4月10日
ダッバーすごくいい感じ、冷蔵庫に突っ込んで、仕事行く前に真空ジャーに味噌汁を詰め込んだら完璧! pic.twitter.com/fu1p66Lpcb
— とーち? (@ruby_pigi) 2018年2月18日
親父の弁当箱、一時期ダッバーだったな。インド出張いってたからか
— 後藤慎太郎 (@lomo_oppai) 2011年5月29日
昨日の残りをダッバーに詰めて冷蔵庫にしまっていたんで、今日の夕飯に。うん、今日も美味しー!ルイマチェル・ドイマチとダルとシャク・ボッタはホントによく出来たなぁ。 pic.twitter.com/4nA2nfn6ib
— KtheMusicalJunk (@Anoraknophobia2) 2018年11月8日
日本でも間違いなくダッバーは愛されてます・・・。
購入前にチェック!ダッバーにもデメリットがある
インドでは古くから愛されるダッバーですが、メリットばかりではありません。
電子レンジで加熱できない
残念ながらダッバーはステンレスなので電子レンジで加熱できません。
これってけっこうな残念ポイント。
寒い季節に温かいご飯を食べることができません。
保温バッグに入れていく方法もありますが・・・電子レンジでチンした方が断然温かいご飯を食べることができますね。
サイズが大きめ
大きめサイズのものが多いです。
中には小さいものもありますが、種類は少なめ。3~4段なので、小さくでもボリューム感があります。
手のひらサイズのお弁当箱を愛用している女性にとってはちょっと多すぎると感じてしまうかも。
汁漏れしやすい
インド人はランチにも汁っぽいカレーをこのダッバーに入れて食べるわけですが、汁漏れしないかというとそうではありません。
密閉度を高める「パッキン」もダッバーには使われていません。
汁漏れしやすいのは入れない方がいいです。
汁っぽいものを一切入れない、または絶対振らないようにして運ぶ必要があります。
ただ、インドではこのダッバーを運ぶ専門の「ダッバーワーラー」という人がいます。
お弁当運びのプロです。例え汁漏れする容器であってもこのプロが運んでくれるため、汁を漏らすことなく安心してお弁当にカレーを入れることができるようです。
お弁当を運ぶプロ、ダッバーワーラーとは?
By Joe Zachs from Pune, India – The Bombay Dabawalla, CC 表示 2.0, Link
インドでは都心部で仕事をする人でも、都市部の物価の高さと人口密度の高さにより、多くは郊外に住んでいます。そのため、朝は早く出勤する人がほとんどなのですが、そんな朝早くからお弁当を持ち歩いては、ご飯もおかずも冷たくなってしまいますよね。
もともと、3食を温かいご飯で食べる文化が根強いインドでは、例えお弁当であっても食事をおろそかにせずに、きちんと食べる習慣があります。
結果、誕生したのがダッバーワーラーという「お弁当運びのプロ集団」。
ダッバーワーラーは午前中のうちに契約をしたお宅にお弁当を引き取りに行きます。そして、そのお弁当を昼食の時間までに持ち主に届け、食べ終わったら回収して、返送します。
By Steve Evans from Citizen of the World – Mumbai Dabbawala or Tiffin Wallahs: 200,000 Tiffin Boxes Delivered Per Day, CC 表示 2.0,Link
このダッバーワーラーという仕事は100年以上も続いている歴史あるもので、この仕事についている人はインド全体でおよそ5000人。この人数で一日20万食のお弁当を毎日届けるのです。
20万食÷5000人=1人あたり40食を届けている計算になります、すごい。
ダッバーワーラーによるお弁当の配達ミスはおよそ0.00000625%という驚異の低確率なのです。
100年以上の歴史があり、ノウハウが確立されていること、組織が非常にシンプルであり、お弁当の集荷から返送までの間に一切、イレギュラーを許さないことでミスが起こりにくくなっていると言われています。
ダッバーワーラーの映画もある
2014年公開の映画なので少し古いですが、ダッバーワーラーが出てくる映画もあります。
その名も「めぐり逢わせのお弁当」。
驚異の低確率で起こった運命的な配送ミス。
これが恋の始まりになるのですが、女性にはご主人がいて・・・とちょっと大人のラブストーリーです。
興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
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まめ
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