パンクロック好きなら誰もが知ってるサム41だけど、彼らの歩んだ道が苦行の連続だったことをあらためてまとめてみました。復活した現在も絡めて紹介するよ。
SUM41(以下サム41)。
2002年に日本でも人気爆発したカナダ発のパンクバンド。パンクというよりはミクスチャーに近い。彼らの歩んだ道は本当にアップダウンの激しい道のりだった。
復活した今だからこそ、彼らの天国と地獄、それをバッググラウンドに生み出されたアルバムを絡めて紹介したい。
サム41とは?ジャンルは?
出典:The Official Website of Sum 41
サム41の音楽のジャンルを与えるのは難しい。むしろジャンルレスなのが彼らの音楽なのだから。
ファーストアルバム「All Killer No Filler」が衝撃
「えっ?」っていう。初期衝動の塊。
とりあえず、曲を聴いてみてほしい。一気に彼らのアンセムと化した『Fat Lip』がこちら↓
パンクだけでなく、ヒップホップ、メタルもやりたいだけぶち込みましたっていう感じ。なのに、曲としてのまとまりがしっかりしている。
さらに、この1stアルバムからは、次の曲『In Too Deep』もかなりよい↓
ボーカルDeryck(デリック)の応用力の強さか。アルバム全体を通して曲の幅が広い。
サム41、1stアルバムから3rdアルバムまでの経緯
2001年に先述した1stアルバム『All Killer No Filler』を出して、2ndアルバム『Does This Look Infected?』、3rdアルバム『Chuck』と順調にアルバムを出していく。
1stは200万枚位以上売れ、2ndは86万枚とちょっと落ち込む(それでも全然すごいのだが)、3rdはまさかの500万枚越え。
ちょい落ち込んだ2ndアルバム「Does This Look Infected?」
出典:The Official Website of Sum 41
このジャケット、目にしたことある人も多いと思う。2002年11月26日発売となった2ndアルバム。
1stに比べると、ポップ感が減り、ちょっとメタル感が増す。
このちょうどいい塩梅が日本人に受けたのか、日本ではサム41の名盤にこのアルバムを挙げる人は多い。事実、なんとこのアルバム、彼らの本国カナダより日本の方が売り上げが高い。(カナダ10万枚、日本20万枚)
3rdアルバム「Chuck」が大ヒット
出典:The Official Website of Sum 41
2004年発売。カナダでは70万枚、日本では45万枚を記録。
とにかくメタル色が強い。でも、ポップパンク上がりの人たちが作っているから、本場のゴリゴリメタルよりはまだ聞きやすい。
そんな3rdアルバムが日本では人気ピークを迎える。
個人的にも、3rdアルバムは推したい。中でも「Pieces」は曲調が切なくて、デリックの普段とのギャップが楽しめるのがいい↓
2006年デイヴ脱退→暗黒時代へ
出典:Decolog
順風満帆に見えた彼らだが、なんとこの2006年でギターのDave Baksh(デイヴ バクシュ)が脱退。
サム41のメタリックな部分は彼のギターによるものが大きかったんだけど、どうもデリックはもうちょっと自由に音楽が作りたかったらしい。
それとは別の一因にメンバーとのしこりがあったとウワサされている。しかもそれは2001年のファーストアルバム『All Killer No Filler』を出したあたりかららしい。
※参考:Wikipedia
デイヴはアルバム『Chuck』(3rdアルバム,2004年)の制作の際にもギターソロ以外はほとんど関わらなかったという。
脱退後はメタルバンド「Brown Brigade」として活動を開始している。
By Foto: Stefan Brending / , CC BY-SA 4.0,Link
彼がデイヴ。
デリックがアヴリルと結婚したのもデイヴ脱退の一因だった?
出典:ZINBIO
どうもデイヴが脱退する前に、デリックが結婚したことにも一因在りそう。
洋楽好きなら知らない人はいないロックシンガーソングライターAvril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)。
デイヴ脱退する前、二人は結婚してる。
フロントマンの結婚とか彼女って、あんまり関係なさそうだけど、実際はかなりバンドに影響を与える。
特に心境を反映する作曲面では当たり前だし、ビートルズのジョンみたいに彼女をスタジオに連れてきすぎて他のメンバーが嫌になっちゃったというのもあるし。
デイヴ脱退後『Underclass Hero』は過去最低の評判
デイヴ脱退後に出したアルバム『Underclass Hero』は何とか100万枚売ったけど、本国カナダでは初週9000枚という悲劇。評価も軒並み悪い。
メタルサウンドは引っ込んで、ポップサウンドが復活。1stに似てる。
個人的には、いうほど悪くはないと思う。名曲もある。しかし、ブッシュ批判曲とラブソングをごった返すのはどうかと思う。
アヴリルと離婚、スティーブの脱退、デリックはアルコール依存症に
出典:Mount Alive
2007年『Underclass Hero』で商業的に失敗した後、2009年にはデリックがアヴリルと離婚。
これが彼にとっての悲劇の始まりだった。2011年の『Screaming Bloody Murder』は売上52000枚にまで落ち込む。
アヴリルと離婚したデリックはもともと内向的だったこともあり、アルコール逃げるようになったと言われている。そしてアルコール依存症へと突き進んでいく。
さらに、サム41の人気キャラだったSteve jocz(スティーヴジョクス)が脱退する。
出典:http://fenix01.blog33.fc2.com
脱退の際の彼のコメントがこちら↓
「残念だけれど、僕はSUM 41を脱退することを決めたことを発表するよ。
バンドと一緒にツアーをすることは、ほんとうに素晴らしい体験で、それは両親の家の古い練習スペースから世界中の数限りない国へと僕らを連れ出してくれたんだ。僕はそうした世界を見る機会と経験をもらって、それには本当に感謝している。
17年間もそんなことをさせてもらった、ぼくらのすべてのファンにただただ感謝したい。最高だったよ。
もう一度感謝を。
スティーヴォ」
マシンガンのごとく下ネタを連発していたスティーヴの脱退にファンは泣いた。
時を同じくして、デリックはアルコール依存症で苦しみ、あやうく命を失いかける惨事も。
それを未然に防いだのは離婚後の新恋人、モデルの「アリアナ・クーパー」だ。
当時の彼の様子がこちら↓
出典:Wikipeadia
激太りと評されているが、アルコール依存症特有のむくみだったのでは?とも推測されている。
生活が完全に破綻した彼を、死の淵から救ったアリアナ・クーパー。
ここでようやく彼は目を覚まし、曲を作り始めるようになった。脱アルコール宣言をして再起奮闘。彼のこの宣言に多くの有名アーティストが助言をしてくれたと後の彼が語っている。
2015年デイヴが奇跡の復帰!2016年新作発表!
苦しかった暗黒時代にようやく幕が下りた。
なんと、2006年に脱退したデイヴが復帰したのだ。9年の歳月を経て、2015年7月Alternative Press Music Awardsでギターとして参加し、翌月8月にデイヴは正式にサム41に復帰を果たした。
2016年の新作『13Voices』は久々のヒット
1stアルバムから3rdアルバムにかけての勢いは感じられないけど、メタルチックなリフにファンは胸熱だったよね。
デイヴが戻ってきたことで、バンドサウンドはだいぶ変わった。
一聴するだけなら王道ロックだけど、彼らの苦行を知ってるファンにとってはたまらない新作だった。
「おかえり、サム41!」
『13Voices』は15万枚売り上げる。
(昔に比べると少ないように見えるけど、2012年~からはCD不況が始まる為、これでもすごい。ていうか、売り上げが回復するだけで奇跡)
スティーヴが帰ってきてくれたらあとは文句なしなんだけどね。
サム41でボク推しのおすすめアルバムは?
出典:realtor.com
個人的におすすめしたいアルバムを紹介するよ。
ベストが出てるんだから初聴ならベストを聴けば?という声もあるけど、僕としてはオリジナルアルバムを聴いてほしいと思ってる。
実際、ベストアルバムは全然売れてない。(オリジナルアルバムは売れてるのに、ベストが売れないというのは、売れている洋楽アーティストにはよくあること)
ファーストアルバム『All Killer No Filler』は外せない
とりあえずは順番に聞いていって変化を楽しむのがいいかな、と。
一番最初に『All Killer No Filler』を聴くのがおすすめ。
2nd以降から入っちゃうと、そのメタル感に慣れてポップ色の強い1stは違和感を覚えてしまいそうだから。
ジャンル別に聞くなら、
ポップよりのミクスチャーが好きなら『All Killer No Filler』『Underclass Hero』がおすすめ。
メタルが好きなら『Does This Look Infected?』『Chuck』がいいよ。本当にデイヴのメタルギターが活きている。
これらのアルバムを押さえた上で、他のも聞きたくなったら『13Voices』を聴くのがおすすめだよ。
現在のサム41の活動は?
デイヴはアリアナと結婚し、今も脱アルコール生活を続けられているらしい。
出典:BARKS
最近、Queenのカバー曲を公式で出したりしてる。パンクアレンジのいいカバーだった。サム41はこれからまだまだ復活劇を見せてくれると思う。
出典:NMEJAPAN
1人のファンとして今後の彼らの活動を全力で見守りたい。
おらひ
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