ポエトリーリーディングを聴きたいなーと思ったらぜひ聞いてほしい8曲をまとめました。全邦楽。
ポエトリーリーディング」とは
韻を踏むというよりは、メッセージ性を重視して語り掛けるタイプのヒップホップの種類で、これがまたハマる人にはとことんハマる。
ヒップホップとかラップって言葉を聞いて、なんて思いますか?
バンド好き勢からしてみたらまあ、どうでもいい存在じゃないかな、と。
”なんかフリースタイルダンジョンかなんか知らんけどいい大人が悪口言い合ってんな”とか、真似する学生をみて”あ〜交わらない世界だな”とかしか思わないでしょ?
実際、僕もそうだったし、多分ヒップホップやラップが好きな人は、ロックに対して同じこと思ってる人多いんです。
でもね、ロック好きな人にもヒップホップやラップで聴いてほしい名曲があるのは確かで。
個人的にはディスリみたいな文化は好きじゃなくて、優しいヒップホップが好き。
本場ではそういうのは忌避される傾向にあるけど、万人受け的にはやっぱりそっちかな、ということであまりはげしくないやつを紹介していきます。
で、今回紹介したいのはフリースタイルダンジョンとかCreepy nutsとかそこまでラップ然としてないものを紹介したい。
ポエトリーリーディングの名曲8選
Dragon Ash「陽はまたのぼりくりかえす」
まずは伝説のバンドDragon Ash。
今でこそバンドサウンドメインになっている彼等だが、実は大ヒットした当初はヒップホップ臭の方が強かった。強かったというか、実はヒップホップをお茶の間レベルで普及したのは彼らが初めて。
パンクでいうとハイスタみたいな存在。これは特に初期の初期曲で、ヒップホップというよりポエトリーリーディングに近い。
なんでも他のラッパーとパクリだどうだの揉めて、バンドサウンドに傾倒したという過去があるのだが、そんな経緯どうでもいい。
とにかく曲がかっこいい。
ボーカルの降谷建志(KJ)は見た目は怖いが、めちゃめちゃいい人、なイメージ。
テレビの企画でいきなりフェスの楽屋に現れたU字工事にキレるどころか和気あいあいと談笑していた。
実は身長も162cmくらいしかなく、見る人が見たらなんかかわいいと思ってしまう。
亡くなったベーシストの追悼曲は1種発売にしたりと、音楽的立ち位置もとにかくかっこいい。
いきなり癖のあるバンドを紹介してしまったが、一聴する価値は確実にある。
出典:https://www.dragonash.co.jp
泉まくら「ballon」
出典:泉まくら | 術ノ穴
ここでいきなり方向転換。
確実に完成されたポエトリーリーディング。しかもこれは女性ボーカル。優しいし、切なくなるタイプの楽曲。舌足らず的な歌い方も可愛くて好き。
頭ん中消去法 どうしたんだかこの状況 酔い加減次第 様になる余興 えっちな音だけ響く204号
飲めや唄えや? もったいない イヤ 息止めて見つめてHAPPY ラララ
早く唄えなくして おねがいあの娘の毎日がやけにドラマチックに
見えだしてから急に笑えなくなったの
何も考えずに歌詞を聴くと、嫉妬の歌にも聞こえるのだが、PVをみると、実はこれは自虐の歌ということが分かる。
共感メインの歌詞なので、分かりやすくて聴きやすい。
初めて聴いたときは本当に衝撃を受けた。ベスト盤を出していたことを知り、聴いた翌日にCD屋に買いに走った。
2Discで他アーティストとコラボした曲集も入ってるので、かなりおススメです。
ちなみに、本人は福岡県出身。普通でどこにでもいるちょっぴりエッチな女の子というプロフィールがぴったり来ている。
ちなみに、彼女が所属しているレーベル「術の穴」は知る人ぞ知るニッチレーベルで、ポエトリーリーディングをはじめとするヒップホップ系の人が所属している。
ヒップホップ音楽を作っていた人が主催したレーベルだから、そりゃそうなのだが。
出典:泉まくら 『5 Years』 | 術ノ穴
不可思議/wonderboy「Pelicule」
出典:不可思議/wonderboy (@fukashigiwonder) | Twitter
ポエトリーリーディングといえばこの人、というくらい界隈では有名な人。
だが、有名になったのは彼が亡くなった後で、不慮の事故ということで22歳の若さで亡くなっている。
亡くなってから有名になった事に本当に人生の皮肉を感じるが、それでも、このような名曲が自分の元に届くくらい彼の曲が広まったことは嬉しいことかもしれない。
観音クリエイションという結構有名な人がプロデュースを手掛けた切ないピアノサウンドと、それにのっかる語りかけタイプの歌詞が特徴。
久しぶり どうしたんだよヒゲなんか生やして 肌の色も真っ黒だし ヒッピーみたいじゃんか
随分と遠くまで行ってきたらしいじゃん なにか掴んだかよ とりあえずは飲もうぜ
20代の男性に向けての歌詞と思われるが、多分女性より男性に響くと思うけど、女性でもハマる人はいるはず、絶対。
男は問答無用で一回聞け、絶対後悔しないから。
個人的には以下の歌詞が一番好き。自分にばっちり合致した。まるで自分に問いかけられるかのように思うほど。
そういえば昔さ いつだったっけ覚えてる?流星群が来るからって 校庭に集まって
寝そべって 夜空を眺めてたんだけど 時間だけが流れて 星なんか流れないの
ああ今俺もしかして うまいこと言ったかなー 寒かったなー あれもう二度とやりたくないけど
次の流星群っていつ来るんだろうね
ちなみに、ベスト盤収録とオリジナル盤収録では曲調が違うので、YouTube音源がそのままほしい人はオリジナル盤をお勧めします。
自分も、初めて聞いた次の日に買いに行ったけど、普通にCD屋においてます。
出典:Amazon Music – 不可思議/WONDERBOYのさよなら、
口ロロ「Japanese boy」
出典:クチロロ公式サイト
いとうせいこう氏によるありがたい朗読が聴けるこの一曲。
謎の中毒性があると言わざるを得ない。「あたらしいたましい」とか結構面白い曲が多いバンドなのだが、何しろ玄人音楽感が強く、とっつきにくい。
HIP-HOPやラップに注目するとなると、やはりいとうせいこう氏の曲が多くなるのだが、この曲は上手くラップとポップが融合していて、ポエトリーリーディングとして分かりやすい。
ヒップホップを流行らせたのは間違いなくDragon Ash(後はRIP SLYME,KICK THE KAN CREW)とかその辺なのだが、ではヒップホップを初めて日本に取り入れたのは誰かというと、他でもないこのいとうせいこうなのだ。
日本で初めてヒップホップのライブを行い、日本で初めてヒップホップのCD「業界君物語」を発売した。天才てれびくんのイメージしかない人は驚くのでは。
出典:http://www.flakerecords.com
tofubeats「水星」
敏腕音楽プロデューサーtofubeats渾身の一曲。
DAOKOにカバーされていて、そっちのほうが有名かなと思うけど、個人的には原曲の方が好き。
tofubeatsの十八番オートチューンがごりごりに響きわたる。
ポエトリーリーディングに入れていいか微妙だけど、ヒップホップっていうよりかはポエトリーリーディングでしょという感じ。
本当に一回もヒップホップ聞いたことない人は、こういう聞きやすい曲から入るのがいいかな、と思う。
かなり昔の曲だが、CD音源で手に入れるのは新品を買うのが一番早い。レア化しててクソ高いけど。
出典:https://tofubeats.bandcamp.com
狐火「マイハツルア」
これは結構人を選ぶ。
狐火はもう十五年以上前からポエトリーリーディングをやってる第一人者なのだが、この曲はアルツハイマー病に侵されて記憶をなくしていく祖母に語るメッセージ的な歌。
よくある感動系の応援歌ではなく、ひどくパーソナルにメッセージを綴る。
共感できる人も多きはずだが、なにせ声が特徴的なうえに、内容が重い。重過ぎる曲が苦手な人にはどうか、、。
出典:Amazon | マイハツルア | Kitunebi – 狐火 –
MOROHA「バラ色の日々」
出典:MOROHA公式サイト
MOROHAは地上波にも出演したこともあるし、知っている人も多いのでは。
彼らも、自分の欲望や野望を厚く歌い上げるスタイルが特徴で、さすらいのギタリストUKと汗の滴るボーカルアフロのコラボレーションが最高。
割と最近のポエトリーリーディングの歌手で、年代的には狐火→不可思議/wonderboy→MOROHAの流れが主軸といえる。
それでいて彼らは独特な曲を作る力があるからすごい。
このバラ色の日々は、彼らにしては珍しいラブソング。それ故か、古参のMOROHAファンからはそれほど評価が高いわけではないのだが、MOROHAを初めて聞く人にはおすすめできるし、個人的には一番好き。
PVは、監督のエリザベス宮地が当時付き合っていた本当の素人彼女との撮影写真を基にして作られている。まじでめちゃめちゃ輝いている。聴いてほしい。
出典:http://rose-records.jp
ASIAN KUNG-FU GENERATION「新世紀のラブソング」
アジカンは知っての通りロックの先駆者的アーティストなんだけど、長い彼らの歴史の中には、ヒップホップ調の曲も多い。
そもそもボーカルのゴッチが洋楽ヒップホップを聴くらしく、この曲は特にそれが影響している。
ヒップホップとロックの融合系の完全体みたいな感じ。
ルーティーンビートのドラムとか、たたいている側は割と楽しかったとかいうほんわかエピソードも残っている。あまり個人的な歌詞が少ないアジカンにしては、かなりパーソナルな歌詞なのも貴重な一曲か。
あの日 僕がセカンドフライを上手に捕ったとして それで今も抱えている後悔はなくなるのかな 十五年経ったってもまだ捨てられない僕がいて 生活は続く 生活は続く
夕方のニュースで何処かの誰かが亡くなったとして 涙ぐむキャスター それでまた明日 そんなふうには取り上げられずに僕らは死ぬとして 世界は続く 何もなかったように
この辺りは本当に流れが上手い。
アジカンは、Beckのカバー「Loser」も日本語ヒップホップ調になっており、より洋楽テイストに近いヒップホップを提供してくれる。
いろいろ紹介してきました。
ポエトリーリーディングが少しでも気なった人がいたらもっと他にも聞いてみてね。
個人的に一番最初に聞くのがおすすめなのは泉まくらの「balloon」です。フリースタイルダンジョンとか、なんか攻撃的で苦手だな、とかいう人こそ意外と優しいヒップホップにハマるかも。是非。
では。
おらひ
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