伝説とも言えるロックバンド「eastern youth(イースタンユース)の魅力を徹底的にご紹介します。
「eastern youth(イースタンユース)」というバンドをご存じだろうか?
日本語ロックというジャンルを開拓し、展開した祖的な存在。ロックンロール日本版という感じ。
まずは一曲聞いてほしい。
このロック感。昭和っぽい感じがビンビンするが、それもそのはず1988年結成の古株バンド。
大体どの年代を通しても同じようなロック感で、ストレートなギターロックをそのままストレートにぶっ飛ばす。さらにかぶさるような熱いシャウト。
最近は年齢もあって声が細くなってきたが、それでも関係なく放出するシャウト。勢いがありまくる。
eastern youthの経歴
出典:discogs.com
1988年に結成して、1989年には1stアルバムをリリース。
当時からずっと同じストレートギターロック。その一直線感もかっこいい。
真ん中がギターボーカルの吉野寿。そのシャウト性からクレジットにはギターボイスと表記されている。ドラムは田森篤哉という吉野の同級生。
彼らは割と初期から一緒なのだが、ここでベース探しで難航する。上京に際してベースのメンバー変更があり、2015年にもベースのメンバー変更が行われた。
「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」がヒット
1998年6thアルバム「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」 が徐々にヒットする。当初のパンクオンリーのサウンドからよりキャッチーな要素が少し入り、グランジっぽいサウンドになってより分かりやすくなったことも要因かもしれない。
海外の人のコメントも「グランジ」ロックだと認識しているのが分かる。
ちなみに、グランジはNirvanaという伝説すぎるロックバンドが発展させたジャンルで、重くて歪んで少しだけ耳に残るサウンドが特徴。パンクの文化も少し入り込んでいる。
こちらがNirvana↓
出典:Official Nirvana Website
サウンドが似てることに何となく気づくのでは。ただ、シャウトの度合いが吉野のほうが強く、歌詞も漢語や堅い表現が多い。昔の純文学みたいな表現が多いのだ。
「夏の日の午後」というタイトルからも分かると思うけど、柔らかいロックではない。でも、それがかっこいい。とにかく。
2001年「感受性応答セヨ 」で絶頂期へ
2001年、ロックキッズを包み込んだまま「感受性応答セヨ 」というアルバムを発売。これが最高のアルバムで、勢いがすごい。さらに、アルペジオのような繊細なメロディーも増えた。一番勢いがある絶頂期だった。
「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」「感受性応答セヨ」のあたりのアルバムは、後世のロック界にも大きすぎる影響を与えた。
ナンバーガールへと続き、アジカンへと続き、全ロックアーティストの根源を辿れば大体eastern youthの名前は出てくる。
当時のロック界は割と海外への憧れみたいなものも強くて、Hi-Standardはじめパンクはそのままの流れを汲んで英詞が多い。で、eastern youthの小説的日本語美に惚れたアーティストは、オルタナティブロック的な流れを汲んでいった。
今はもうロックもジャンルレスに混雑しちゃってるけど、当時はその位シンプルだった。
出典:discogs.com
日本でヒットした由縁もあり、2003年、2004年、2006年のアルバムは海外版も発売。
2007年のアルバム「地球の裏から風が吹く」以降は、少し声が細くなってメロディーも少し落ち着いた形に。
賛否両論あったが、eastern youthに”癒し”という新たな要素が入り込んだ。
2015年、渾身の16thアルバム「ボトムオブザワールド 」発売
徐々に売上自体は落ちていったが、一度胸を掴まれた人は絶対に離れることが出来ず、一定のファンを以て続いていく。
2015年発売の16thアルバム「ボトムオブザワールド 」で「感受性応答セヨ」以降の全てが詰まったような渾身の一発を放つ。
シャウトも叫びまくり健在で、グランジ的な暗いメロディーに加えて、明るさのあるメロディーラインが加わり、相当に勢いのあるアルバムに。
2015年二宮友和が脱退
「ボトムオブザワールド」のアルバムは良すぎて、自他ともに評価も最高。
そんな中、2015年2月2日に二宮友和が「アルバム『ボトムオブザワールド』を作り終え、eastern youthでできることは全てやりきったと実感した」と述べ、約15年以上続けてきたeastern youthを脱退。
同アルバム発売後のツアー終了をもってバンドを脱退した。その後、吉野は「まだやれることあるんじゃねえか」ということで、ベースが抜けた穴を探すことになったが意外と難航。
さらに、eastern youthのベースラインはメロディックで意外と難しい。グランジサウンドに合うグルーヴ感も必要とする。吉野も、その点で捜索が難航したらしいが、最終的に元々eastern youthのファンでベーシストだった村岡ゆかが加入。
ライブでいきなりシークレット復活発表となった。村岡さんが入ってる時のライブ映像が以下。
違和感がない。むしろ女性特有の滑らかさが出て、さらに新しい要素が追加されたと思う。
2017年「SONGentoJIYU」リリース
勢いそのまま2017年に「SONGentoJIYU」をリリース。音調は前作と同じような完成されたサウンド。
その後、循環バスという曲を配信リリース。女性コーラスという新たな要素も追加されて、昔ながらの音楽性を維持しながらも新しいものを模索している。すごい。
アーティスト写真もスマホの自撮り棒を駆使した面白いアーティスト写真に。
出典:ototoy.jp
ゴールデンカムイのエンディングテーマに「時計台の鐘」
出典:animeanime.jp
音楽性もあり、タイアップというものに全く縁がなかったeastern youthだが、ここ最近ゴールデンカムイ二期のEDに抜擢。
OPはさユりとマイファスのコラボだったことを考えると、相当によく分からないOPとEDの抜擢なのだが、かっこよければなんでもいいか。
eastern youth「時計台の鐘」
2009年に吉野寿が心筋梗塞で倒れて以降、シングルを発売していなかったeastern youthだが、ここにきて久々のシングルを発売。循環バスも収録され、リアルに豪華な内容に。
本当にいい曲ばかり。今回紹介したアルバム「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」「感受性応答セヨ」「ボトムオブザワールド」はぜひ聞いてほしい。
ちょっと深めたい人は「地球の裏から風が吹く 」「SONGentoJIYU」辺りも面白い。シングルはむろん「時計台の鐘」。最新曲かつ最高曲。勢いが本当に衰えない。
もうおじさんなのに、ロックンロールに生きている。
出典:limpress.com
2018年のライブの様子。
この年齢でとにかく勢いがある。すごい。音楽コアファンが喜ぶフェスフジロックにお呼ばれ。もうすぐ結成30周年とは思えない。初期衝動感もすごい。
2016年には「toe」と対バンしてるということもあり、音楽コアにはたまらない対バン。
ジャンルはちょっと違うが、どちらも胸に刺さるものがあるのは確か。
最近のeastern youthは?
結成30周年を超えてもまだ走り続けるeastern youth。脱退した二宮とも全然不仲ではないらしく、Twitterでいじる様子も。
ニノミヤくん!松本Alex入り口んとこのトイレが洋式になったよ!ウォシュレットもついてるよ!もう安心だよ!本日松本AlexにてMOROHAと一騎打ち。17時開場18時開演。ey先攻です。俺のがヤバい!よろしくちゃんです! pic.twitter.com/7DkXbVEtPJ
— eastern youth (@ey_chan) 2018年10月14日
走っても走ってもシロシマはまだ遠い。腰いたい。日が暮れてきてとてもわびしい。 pic.twitter.com/XUJA9Ln8GB
— 吉野 寿 (@outside_yoshino) 2018年11月22日
割とTwitter面白いです。もの食べるシリーズとか。
今年で50歳になる吉野寿と田森 篤哉。(村岡 ゆかさんはまだ30代)
年月を経ても色あせないeastern youth。
興味ある人はぜひあのシャウトを聴いてみてほしい。
おらひ
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